梶井基次郎 『冬の蠅』 火鉢の火は衰えはじめて、硝子窓を潤おしていた湯気はだんだん上から消えて来る。 私はそのなかから魚のはららごに似た憂鬱な紋々があらわれて来るのを見る。 それは最初の冬、やはりこうして消えていった水蒸気がいつの間にかそんな紋々を作ってしまったのである。 梶井基次郎の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア