杉の根方には藪柑子、匂ひのないのぎ蘭、すぎごけ、……數々の矮小な自然が生えてゐた。
それらは私の足音が遠離ればまたわけの分らぬ陰濕な會話で靜寂を領するやうに思はれた。
私の心は暗い梢のなかで圓い喉を鳴らしてゐる山鳩の心に觸れ、あるときは靜かに鳴き澄ましてゐる鶯のやうなものになつてしまつた。
杉の根方には藪柑子、匂ひのないのぎ蘭、すぎごけ、……數々の矮小な自然が生えてゐた。
それらは私の足音が遠離ればまたわけの分らぬ陰濕な會話で靜寂を領するやうに思はれた。
私の心は暗い梢のなかで圓い喉を鳴らしてゐる山鳩の心に觸れ、あるときは靜かに鳴き澄ましてゐる鶯のやうなものになつてしまつた。