夏目漱石 『虞美人草』 知らぬ顔の藤尾は、内側を向いている。 くっきりと肉の締った横顔は、後ろからさす日の影に、耳を蔽うて肩に流す鬢の影に、しっとりとして仄である。 千筋にぎらついて深き菫を一面に浴せる肩を通り越して、向う側はと覗き込むとき、眩ゆき眼はしんと静まる。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア