裸の電燈が細長い螺旋棒をきりきり眼の中へ刺し込んで來る往來に立つてまた近所にある鎰屋の二階の硝子窓をすかして眺めた此の果物店の眺めほど、その時どきの私を興がらせたものは寺町の中でも稀だつた。
その日私は何時になくその店で買物をした。
といふのはその店には珍らしい檸檬が出てゐたのだ。
裸の電燈が細長い螺旋棒をきりきり眼の中へ刺し込んで來る往來に立つてまた近所にある鎰屋の二階の硝子窓をすかして眺めた此の果物店の眺めほど、その時どきの私を興がらせたものは寺町の中でも稀だつた。
その日私は何時になくその店で買物をした。
といふのはその店には珍らしい檸檬が出てゐたのだ。