その重さこそ常々私が尋ねあぐんでゐたもので、疑ひもなくこの重さは總ての善いもの總ての美しいものを重量に換算して來た重さであるとか、思ひあがつた諧謔心からそんな馬鹿げたことを考えて見たり――何がさて私は幸福だつたのだ。
何處をどう歩いたのだらう、私が最後に立つたのは丸善の前だつた。
平常あんなに避けてゐた丸善が其の時の私には易々と入れるやうに思へた。
その重さこそ常々私が尋ねあぐんでゐたもので、疑ひもなくこの重さは總ての善いもの總ての美しいものを重量に換算して來た重さであるとか、思ひあがつた諧謔心からそんな馬鹿げたことを考えて見たり――何がさて私は幸福だつたのだ。
何處をどう歩いたのだらう、私が最後に立つたのは丸善の前だつた。
平常あんなに避けてゐた丸善が其の時の私には易々と入れるやうに思へた。