梶井基次郎 『檸檬』 見わたすと、その檸檬の色彩はガチヤガチヤした色の階調をひつそりと紡錘形の身體の中へ吸收してしまつて、カーンと冴えかへつてゐた。 私には埃つぽい丸善の中の空氣が、その檸檬の周圍だけ變に緊張してゐるやうな氣がした。 私はしばらくそれを眺めてゐた。 梶井基次郎の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア