子供が出て行った後、膳の後仕末をして、子供の正月の晴着に手をつけている間に、お八つの時刻が来たが、彼等は帰って来なかった。
遊びに気がとられていても、お八つの時には必らず「なにか」を貰いに帰って来る子供が常になく帰って来ないのは、彼女の心に漠とした不安の錘を投げ込んだ。
彼女達の一家が主人の転勤のため、何代も住み続けた大阪から、東京へ移ってそこへ居を構えてからまだ一月も立たずであった。
子供が出て行った後、膳の後仕末をして、子供の正月の晴着に手をつけている間に、お八つの時刻が来たが、彼等は帰って来なかった。
遊びに気がとられていても、お八つの時には必らず「なにか」を貰いに帰って来る子供が常になく帰って来ないのは、彼女の心に漠とした不安の錘を投げ込んだ。
彼女達の一家が主人の転勤のため、何代も住み続けた大阪から、東京へ移ってそこへ居を構えてからまだ一月も立たずであった。