山毛欅の湖から歸ると、路易は早速ルウベンスの小さな畫集を買つた。
中でも、「毛の帽子」をかぶつた女の肖像畫を見てゐると、その湖畔で會つたいかにも血色のいい少女の顏が、笑ふとそのふつくらした頬に出來る可愛らしい線までが、目に見えるやうだつた。
しかし、その小さな畫集はすぐ他の本の下積みにされた。
山毛欅の湖から歸ると、路易は早速ルウベンスの小さな畫集を買つた。
中でも、「毛の帽子」をかぶつた女の肖像畫を見てゐると、その湖畔で會つたいかにも血色のいい少女の顏が、笑ふとそのふつくらした頬に出來る可愛らしい線までが、目に見えるやうだつた。
しかし、その小さな畫集はすぐ他の本の下積みにされた。