堀辰雄 『顏』 歸りの汽車の中で三人はぎごちなく沈默してゐた。 路易はまださつきの味のない接吻のことを考へてゐるらしく、「なんだ接吻なんてあんなものか」と言はんばかりの顏をしてゐる。 それが接吻した相手を自分がちつとも愛してなんぞゐなかつたためであるとは知らずに。 堀辰雄の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア