私自身が毎晩のやうにここに來るお蔭で、それらの人々の中から、私は所謂「定連」といふべき人々を、容易に見出すことが出來るのであつた。
たとへば、階下の隅の方の柱に靠れて、いつもニヤニヤ笑ひながら、舞臺を眺めてゐる一人の浮浪者だの、丁度私と對蹠をなした三階の向側に陣取つて、必らず「葉ちやん!
と、踊り子の一人の小松葉子といふのに、聲をかける一人の自動車運轉手だの、等、等……。
私自身が毎晩のやうにここに來るお蔭で、それらの人々の中から、私は所謂「定連」といふべき人々を、容易に見出すことが出來るのであつた。
たとへば、階下の隅の方の柱に靠れて、いつもニヤニヤ笑ひながら、舞臺を眺めてゐる一人の浮浪者だの、丁度私と對蹠をなした三階の向側に陣取つて、必らず「葉ちやん!
と、踊り子の一人の小松葉子といふのに、聲をかける一人の自動車運轉手だの、等、等……。