夏目漱石 『虞美人草』 「御前から」と兄は少し顔を低くして妹の方へ眼を近寄せた。 「私から――ええ私から――私から誰かに上げます」と寄木の机に凭せた肘を跳ねて、すっくり立ち上がる。 紺と、濃い黄と、木賊と海老茶の棒縞が、棒のごとく揃って立ち上がる。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア