中庭といつても、ここには一本の樹さへなく、ただ禿げた土の上にちよぼちよぼと雜草が生えてゐるばかりである。
そして何の堤防らしいものもなしに、いきなり海に面してゐた。
そのやうに狹められた僕の視野のなかの海の上には、ただ一艘、前世紀の遺物のやうな古ぼけた汽船が浮んでゐるばかりだつた。
中庭といつても、ここには一本の樹さへなく、ただ禿げた土の上にちよぼちよぼと雜草が生えてゐるばかりである。
そして何の堤防らしいものもなしに、いきなり海に面してゐた。
そのやうに狹められた僕の視野のなかの海の上には、ただ一艘、前世紀の遺物のやうな古ぼけた汽船が浮んでゐるばかりだつた。