またぢつと動かずにゐるものは、僕に、きれいな貝殼を思ひ出させた。
それはまるで海の中がそつくりそのまま空に反射してゐるやうなのである。
いままで僕は遠くの方に對岸のやうなものを認め、そしてそこに數箇の骰子のやうな洋館が塊つてゐるやうに思つてゐたが、それは見る見るうちに船のマストの方へ昇つていつた。
またぢつと動かずにゐるものは、僕に、きれいな貝殼を思ひ出させた。
それはまるで海の中がそつくりそのまま空に反射してゐるやうなのである。
いままで僕は遠くの方に對岸のやうなものを認め、そしてそこに數箇の骰子のやうな洋館が塊つてゐるやうに思つてゐたが、それは見る見るうちに船のマストの方へ昇つていつた。