小さい妹の洋子は、本當の姉の節子以上に、伸子になついて、何もかも彼女に自分の思つてゐる事を女の子らしくもなく卒直に話したが、そんな事までいふことがあつた。
そんなたんびに、伸子は、何かいままでちつとも知らなかつたやうな故人の面を知らされたやうな氣がするのである。
が、さうやつて思ひがけないやうなところから光をあてられた、亡き人の樣子の方が、弘なんぞが故人と共に聞き手の彼女をもいたはるやうに話してくれる姿よりも、かへつて生き生きとおもかげに立つて、一瞬彼女は胸がしめつけられるやうな氣がする位だつた。