郊外もここいらまで來ると、まだそんな麥畑がところどころに殘つてゐるのである。
そしてそれらの麥は、丁度いま黄いろく熟し出してゐた。
他のところは音もなく過ぎる六月の軟かな微風も、その實の熟れた麥と麥との間を渡るときだけは、ざわざわと一種特別な、どこか秋風めいた音を立てて過ぎた。
郊外もここいらまで來ると、まだそんな麥畑がところどころに殘つてゐるのである。
そしてそれらの麥は、丁度いま黄いろく熟し出してゐた。
他のところは音もなく過ぎる六月の軟かな微風も、その實の熟れた麥と麥との間を渡るときだけは、ざわざわと一種特別な、どこか秋風めいた音を立てて過ぎた。