堀辰雄 『おもかげ』 「麥秋」――そんな言葉がふいと伸子の口を衝いてでた。 ああ、麥秋といふのはこんな感じをいふんだな、と彼女はおもつた。 いままで何かでそんな字を見て、諳んじてゐたが、何のことだかよく分らずにゐた――それが、いま、いかにもぴつたりと彼女には感ぜられた。 堀辰雄の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア