堀辰雄 『おもかげ』 麥畑を通りすぎた。 少女とリリイはときどきうしろをふりかへりながら、ずんずん走つてゆく。 彼女もふいとそれに釣られて、ふり向いてみると、黄いろい麥畑の彼方に、その赤い屋根の一部だけをのぞかせてゐる家の前あたりに、人影が立つて、こちらを見送つてゐた。 堀辰雄の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア