數日後、彼と彼女とがそんな家搜しからまたしても空しく歸る途すがら、集會堂の裏に拔ける林道をまはつてくると、いままで兩側から灌木に挾まれながらSの字を描いてゐたその細い道が一軒のコッテエヂの前にひらけ、丁度その前でぐつとLのやうに曲つて、其處から橡の林の中にはひり込んでゐる。
――その灌木の中から拔け出した瞬間、人々はいきなり目に入れるのだつた、先づ一めんに眞白な野茨の花の咲いてゐる生籬を、それからそれに半ば埋まつてゐる一つの小さなコッテエヂを。
それだけ、そのコッテエヂと、その生籬の效果は甚だ顯著だつた。