葉がくれで、その上氣が狂つたやうに飛び移つてゐるので、さうよくその姿が見えず、その小鳥がどの位の大きさだかすらもちつとも見當がつかなかつたが、胸のところだけちらつと煉瓦のやうに薄赤いのだけが認められた。
そのうち、さうやつて二人して見てゐる前で、その小鳥はどうしたのか、その茂みから拔け出したやうな氣配もなく、突然姿を消してしまつたのだ。
「あら、あんなところに鳥の巣が……」彼女はさう言ひかけたまま、少女らしく彈む心をおさへるやうにして、そつと腰を浮かせた。
葉がくれで、その上氣が狂つたやうに飛び移つてゐるので、さうよくその姿が見えず、その小鳥がどの位の大きさだかすらもちつとも見當がつかなかつたが、胸のところだけちらつと煉瓦のやうに薄赤いのだけが認められた。
そのうち、さうやつて二人して見てゐる前で、その小鳥はどうしたのか、その茂みから拔け出したやうな氣配もなく、突然姿を消してしまつたのだ。
「あら、あんなところに鳥の巣が……」彼女はさう言ひかけたまま、少女らしく彈む心をおさへるやうにして、そつと腰を浮かせた。