「ほら、あそこによ……あれが見えないの?
……」いつのまにか立ち上つた彼女が、それを彼に教へるやうに、その生籬の方へ近づいて行かうとすると、何處かへ見えなくなつてゐたさつきの小鳥らしいものが、ついとまた姿を現はし、こんどは巧みにその生籬をくぐり拔けて、さつと飛び立つた。
その飛び出したあとへ目をやると、なるほど鳥の巣ほどの黒い塊がある。
「ほら、あそこによ……あれが見えないの?
……」いつのまにか立ち上つた彼女が、それを彼に教へるやうに、その生籬の方へ近づいて行かうとすると、何處かへ見えなくなつてゐたさつきの小鳥らしいものが、ついとまた姿を現はし、こんどは巧みにその生籬をくぐり拔けて、さつと飛び立つた。
その飛び出したあとへ目をやると、なるほど鳥の巣ほどの黒い塊がある。