彼もそれを見ると、急に元氣よく立ち上がつていつたが、そこいらの茂みは相當深いので、鳥の巣が目とすれすれの高さ位にあるのに、さうしてその巣の中で雛鳥らしいものがぴよぴよ啼いてゐるのさへ彼等に聞えてくるのに、それがどうしても覗けないのである。
何んとかして早くそれが見たいので、こんどは二人で林道まで出ていつて、反對の側からそれを搜してみると、それがつい鼻のさきに懸つてゐるのに、こんどは道がそこのところだけ凹んでゐて、いくら背伸びをしてもやつぱり目が屆かない。
何しろ野茨だから、棘が一ぱいあるので、枝をたぐりよせることが容易に出來ないのである。