そのとき彼はふいと手にしてゐた秦皮のステッキに氣がついて、それを持ち變へて、その握りのところにその鳥の巣の懸つてゐる白い花の一ぱい咲いた枝ごとそつと引き寄せて、爪先き立つたら、やつとその巣の中がのぞけた。
巣の中には、目ばかりぎよろつかせた、まだ羽の生えてゐない、へんに不恰好な雛たちが、四五羽塊りあつて、うごめいてゐた。
さう、生れてからやつと四五日した位のものに見えた。
そのとき彼はふいと手にしてゐた秦皮のステッキに氣がついて、それを持ち變へて、その握りのところにその鳥の巣の懸つてゐる白い花の一ぱい咲いた枝ごとそつと引き寄せて、爪先き立つたら、やつとその巣の中がのぞけた。
巣の中には、目ばかりぎよろつかせた、まだ羽の生えてゐない、へんに不恰好な雛たちが、四五羽塊りあつて、うごめいてゐた。
さう、生れてからやつと四五日した位のものに見えた。