――さつきの親鳥らしいものがそのとき急に彼の頭上の高い木の梢でけたたましく啼き出した。
それに應ずるやうに、巣のなかでも雛たちが一層ぴよぴよと啼き出したやうだつた。
彼はなんだか自分が殘酷なことをしてゐるやうな氣がして、もう覗くのを止めてステッキを弛めようとすると、彼女がそれに代つて見たさうにしてゐるので、鳥の巣のある枝をひつかけたままそのステッキを彼女に手渡して、自分はそつと其處を立退いた。
――さつきの親鳥らしいものがそのとき急に彼の頭上の高い木の梢でけたたましく啼き出した。
それに應ずるやうに、巣のなかでも雛たちが一層ぴよぴよと啼き出したやうだつた。
彼はなんだか自分が殘酷なことをしてゐるやうな氣がして、もう覗くのを止めてステッキを弛めようとすると、彼女がそれに代つて見たさうにしてゐるので、鳥の巣のある枝をひつかけたままそのステッキを彼女に手渡して、自分はそつと其處を立退いた。