「…………」彼はどうだか分るもんかと云つたやうな顏を、意地わるさうにわざとして見せるのである。
それから暫くしてから、こんどは反對の、集會堂の方から、――年とつた外人夫婦が腕を組み合つて、しかしお互に上體を眞直にしたまま、とつとと歩きながらそのコッテエヂの前を通り過ぎて灌木の中に消えていつた。
何か快活さうに口笛をふいてゐた御亭主の方だけ、通りすがりにちらりと花の生籬の方へ目を注いでいつたが、一向私達にも、その小鳥の巣にも氣づいた風はなかつた。
「…………」彼はどうだか分るもんかと云つたやうな顏を、意地わるさうにわざとして見せるのである。
それから暫くしてから、こんどは反對の、集會堂の方から、――年とつた外人夫婦が腕を組み合つて、しかしお互に上體を眞直にしたまま、とつとと歩きながらそのコッテエヂの前を通り過ぎて灌木の中に消えていつた。
何か快活さうに口笛をふいてゐた御亭主の方だけ、通りすがりにちらりと花の生籬の方へ目を注いでいつたが、一向私達にも、その小鳥の巣にも氣づいた風はなかつた。