しかし、さういふ彼女にとつて不幸なことには、急に彼の父が病氣になつて二人とも彼の故郷によびよせられたのである。
それがどうやら小康を得たので、再びその村に戻つてきたのはもう六月も末になつてからだつた。
そしてその小鳥の巣のことなんぞは――少くとも彼はもう忘れるともなく忘れてゐた。
しかし、さういふ彼女にとつて不幸なことには、急に彼の父が病氣になつて二人とも彼の故郷によびよせられたのである。
それがどうやら小康を得たので、再びその村に戻つてきたのはもう六月も末になつてからだつた。
そしてその小鳥の巣のことなんぞは――少くとも彼はもう忘れるともなく忘れてゐた。