その村を彼等がしばらく留守にしてゐた間も、かなり雨がふりつづいてゐたと見え、彼等のコッテエヂから村へ下りる山道などはよほど注意しないと歩けないくらゐ凸凹がひどくなつてゐて、林の中などは木の枝がいくつとなく折れ、青い葉が生ま生まして一めんに散つてゐるのである。
――雨上りの或朝、彼等が散歩のためにさういふ慘とした山道を村へ下りて行かうとすると、彼等の行手に一羽の小鳥が、足でも傷ついたのか、人間の近づいてくるのに一層あわてて、しかし飛び立てずに、ぴよこんぴよこんと跳んでゐるのだつた。
アカハラだなと思つて、彼がいつになく元氣になつて追つてゆくと、彼自身がびつくりしたほど、難なくそいつが捕まつてしまつた。