私はそれを快げに味ひながら、自分でも知らずに自分がそれまでかなり上氣してゐたことに氣がついた。
……私は遂に墓地の一番奧の、四五本の古い樅の間に、苔の生え、蔦のからまつた、腕の折れた、小さな佛像がいまにも倒れさうになつてゐるところまで行つて見た。
それはあたりの墓を守つてゐると云ふよりも、それ自身がもつと忘れ去られた墓ででもあるやうに見えた。
私はそれを快げに味ひながら、自分でも知らずに自分がそれまでかなり上氣してゐたことに氣がついた。
……私は遂に墓地の一番奧の、四五本の古い樅の間に、苔の生え、蔦のからまつた、腕の折れた、小さな佛像がいまにも倒れさうになつてゐるところまで行つて見た。
それはあたりの墓を守つてゐると云ふよりも、それ自身がもつと忘れ去られた墓ででもあるやうに見えた。