僕の書いてゐるものなんぞはそれほどのものぢやあなささうだが、まあ、それにいくらか近いもの、ちよつとばかし靜かなものだ位には考へてくれたまへ。
……さうして僕の書いたものからだね、君がもし何か求めようとするなら、そこに描かれた人生そのものからでなく、ただね、それがそこで得てゐる靜かな姿、――さういふものから或る慰藉を君一人でもつて受取るやうに、君自身を仕込むことだ。
……それには僕なんぞよりも、ずつとずつとえらい奴のものを、まあ、いま言つたやうなリルケの書いたものなんぞを讀んで、お手本にするがいいとも。