夕暮、ぶらつと、ベルヴェデエルの丘の方へ行つたんだ。
すると、どうだい、そんな人つ子ひとりゐない山の中を、猫が一ぴき、のそりのそり歩いてゐるぢやないか。
しかし僕がもつとびつくりしたのは、ときどきその猫に向つて、何處からともなく、すうつと音もなく飛んできてほ、その背中を掠めるやうにして過ぎ去る、一羽の大きな鳥(どうも鷹らしい)がゐることだ。
夕暮、ぶらつと、ベルヴェデエルの丘の方へ行つたんだ。
すると、どうだい、そんな人つ子ひとりゐない山の中を、猫が一ぴき、のそりのそり歩いてゐるぢやないか。
しかし僕がもつとびつくりしたのは、ときどきその猫に向つて、何處からともなく、すうつと音もなく飛んできてほ、その背中を掠めるやうにして過ぎ去る、一羽の大きな鳥(どうも鷹らしい)がゐることだ。