さうしてやつとその最後の章まで來かかつたとき、突然、ゲエテが神異力なるものを持ち出してきて、その生涯中、をりをり彼の精神を左右したところの、神のものとも惡魔のものともつかぬやうな、不可思議な力を説明してゐるところを讀み、私は思はずはつとした。
それまで私を苦しめてゐた、漠然とした不安が、突然、はつきりした形をとり出したやうに思はれた。
私はその數頁を何遍も讀み返した。
さうしてやつとその最後の章まで來かかつたとき、突然、ゲエテが神異力なるものを持ち出してきて、その生涯中、をりをり彼の精神を左右したところの、神のものとも惡魔のものともつかぬやうな、不可思議な力を説明してゐるところを讀み、私は思はずはつとした。
それまで私を苦しめてゐた、漠然とした不安が、突然、はつきりした形をとり出したやうに思はれた。
私はその數頁を何遍も讀み返した。