しかしけさなんぞは、本當をいふと、ちよつと僕には辛かつた。
やつと十時頃、温かさうな日がちらつと差したかと思ふと、すぐ眞暗な雲に遮ぎられてしまつて、そしていまにも雪になりさうで、――いつその事さつさと雪になつてくれりあ好いのに、と佛頂面をしてゐると、そこへ思ひがけず貴方から贈物が屆いたので、急に家の中ぢゆう明るくなつたやうな氣がしました。
僕がきふに愉しさうに小包をほどき出してゐるのを、傍で野村君がうらやましさうな顏をして見てゐたので、折角のお心盡しの品ですが、その中から奮發してシュテッテルの鉛筆を一本分けてやりました。