教會には獨逸人らしい中年の婦人が一人、黒いマントにうづくまつてゐたつきり、――ちよつと顏を出すだけですぐ出て來ようと思つた僕達も、入つてみるとさうもならず、小一時間ばかりも寒い思ひをして、隅つこの藁椅子にかしこまつて坐つてゐました。
お彌撒がやつとすんで、その婦人が俯向きがちに懺悔室らしいのにはひつて行くのを見てから、僕達も立ち上つて神父さんにちよつと挨拶をして出て來ました。
さうしたら、その日の夕方、その神父さんが僕達の山の上のコッテエヂまで、わざわざ訪ねて來たので面喰らひました。
教會には獨逸人らしい中年の婦人が一人、黒いマントにうづくまつてゐたつきり、――ちよつと顏を出すだけですぐ出て來ようと思つた僕達も、入つてみるとさうもならず、小一時間ばかりも寒い思ひをして、隅つこの藁椅子にかしこまつて坐つてゐました。
お彌撒がやつとすんで、その婦人が俯向きがちに懺悔室らしいのにはひつて行くのを見てから、僕達も立ち上つて神父さんにちよつと挨拶をして出て來ました。
さうしたら、その日の夕方、その神父さんが僕達の山の上のコッテエヂまで、わざわざ訪ねて來たので面喰らひました。