が、その村のなかに停車場のできるのと前後して、そこいら一帶の風物がそのすこし前から日本の各地に夏を過ごす高原を搜してゐた外人の宣教師たちの目がねにかなつて、夏だけ、そこに風變りな部落がいつのまにか出來るやうになつてゐた。
おえふは弟たちと寺の小學校にかよひながら、さういふ村の急激な變化を、――村のあちこちに紅殼塗りの小屋が急にたち、萵苣やキャベツなどの畑ができ、又、その近くに牛や羊の飼はれてゐる牧柵などができてゆくのを、何か目をみはるやうな驚きと、一種の憧がれをさへもつて見てゐた。
しかし、それも夏のあひだだけのことで、冬になると、おえふたちは又いかにも山の中の娘らしい娘に立ちかへつてゐた。