誰になんと云はれようと平氣なやうに、店さきなどで背なかにした初枝をあやしてゐるおえふの姿は、いかにも屈託なささうに見えた。
さうしておえふの父がいままで面倒をみて相當のものに仕上げた驛前の店を、もう成人した本家のあととりに讓つて、それと入れ代つて、隣りの村のもとの牡丹屋に隱居をすることになつたとき、おえふも初枝を連れてそちらへ一しよに往つた。
さうしてそれきり遂にホテルへは戻らなかつた。
誰になんと云はれようと平氣なやうに、店さきなどで背なかにした初枝をあやしてゐるおえふの姿は、いかにも屈託なささうに見えた。
さうしておえふの父がいままで面倒をみて相當のものに仕上げた驛前の店を、もう成人した本家のあととりに讓つて、それと入れ代つて、隣りの村のもとの牡丹屋に隱居をすることになつたとき、おえふも初枝を連れてそちらへ一しよに往つた。
さうしてそれきり遂にホテルへは戻らなかつた。