しかし、今年も非常に客の立て込んだ夏の間、まだ五郎がリウマチスで寢たきりになつてゐる始末なので、そんな捨吉でもゐてくれた方がずつとよかつた。
「こちらが上段の間といつて殿樣がお泊りになつたお部屋です。
それからあちらがお小姓の間で……」捨吉は、昔の本陣の構へを見せてもらひに牡丹屋をおとづれる外人たちの一行の先きに立つて、跛を引き引き、説明して歩かなければならないこともある。
しかし、今年も非常に客の立て込んだ夏の間、まだ五郎がリウマチスで寢たきりになつてゐる始末なので、そんな捨吉でもゐてくれた方がずつとよかつた。
「こちらが上段の間といつて殿樣がお泊りになつたお部屋です。
それからあちらがお小姓の間で……」捨吉は、昔の本陣の構へを見せてもらひに牡丹屋をおとづれる外人たちの一行の先きに立つて、跛を引き引き、説明して歩かなければならないこともある。