或る日、私は村の雜貨店から小學生用の帳面を十錢で買つて來ました。
表紙には、何處か瑞西あたりらしく見える、山の中の冬景色が描かれてありました。
赤あかと夕燒けのした空と、その反射で窓硝子だけをきらきら光らせながら眞白に雪をかぶつてゐる一軒のシャレエと、裸かになつた二三本の枯木と、それからそんな雪道をこちらに背中を向けて歩いてゆく主人と犬と。
或る日、私は村の雜貨店から小學生用の帳面を十錢で買つて來ました。
表紙には、何處か瑞西あたりらしく見える、山の中の冬景色が描かれてありました。
赤あかと夕燒けのした空と、その反射で窓硝子だけをきらきら光らせながら眞白に雪をかぶつてゐる一軒のシャレエと、裸かになつた二三本の枯木と、それからそんな雪道をこちらに背中を向けて歩いてゆく主人と犬と。