……その晩、私が宿屋の爐ばたで(もうこちらでは爐を切つてゐるのです)、その帳面のザラザラした紙の上に鉛筆でせつせとノオトをつけてゐたら、まだ私とはそんなに年も違はないのにリウマチスで足の不自由になつてゐる主人が、私のそばにゐざり寄つて來ました。
そこで帳面を伏せて、何の氣なしに表紙の繪に見入つてゐたら、主人がそばから「それは何處いらでせうね。
この間もそれとそつくりな繪ハガキを見せて貰ひましたが、私にもちよつと見當がつきません」と云ふのです。
……その晩、私が宿屋の爐ばたで(もうこちらでは爐を切つてゐるのです)、その帳面のザラザラした紙の上に鉛筆でせつせとノオトをつけてゐたら、まだ私とはそんなに年も違はないのにリウマチスで足の不自由になつてゐる主人が、私のそばにゐざり寄つて來ました。
そこで帳面を伏せて、何の氣なしに表紙の繪に見入つてゐたら、主人がそばから「それは何處いらでせうね。
この間もそれとそつくりな繪ハガキを見せて貰ひましたが、私にもちよつと見當がつきません」と云ふのです。