しかし、森の中といふものは、こんな秋になると、一層なんだか物音に充たされてゐて、夏などより反つてざわざわしてゐる位です。
熊笹がしつきりなしに音を立てたり、栗鼠が小惡魔のやうに木をゆすぶつたり、もぐらもちが絶えず土をもくもく持ち上げてゐます。
そこで神經質な詩人さんは、ポケットから黄いろい假綴の本をとり出すと、それを高聲に朗讀しながら、こはごはそこいらを歩いてゐました。
しかし、森の中といふものは、こんな秋になると、一層なんだか物音に充たされてゐて、夏などより反つてざわざわしてゐる位です。
熊笹がしつきりなしに音を立てたり、栗鼠が小惡魔のやうに木をゆすぶつたり、もぐらもちが絶えず土をもくもく持ち上げてゐます。
そこで神經質な詩人さんは、ポケットから黄いろい假綴の本をとり出すと、それを高聲に朗讀しながら、こはごはそこいらを歩いてゐました。