詩人さんはついその一節に心を奪はれて、そのはずみに自分の足が何を蹴とばしたのだか、氣がつきませんでした。
びつくりして、足もとを見ると、それは何と小さな熊、――子供のおもちやの熊でした。
まるで彼のいま讀んでゐる本から知らぬ間に拔け出して、そこにぴよこんと足を空中にもち上げたまんま、仰向けに轉がつてゐるとしか思へません。
詩人さんはついその一節に心を奪はれて、そのはずみに自分の足が何を蹴とばしたのだか、氣がつきませんでした。
びつくりして、足もとを見ると、それは何と小さな熊、――子供のおもちやの熊でした。
まるで彼のいま讀んでゐる本から知らぬ間に拔け出して、そこにぴよこんと足を空中にもち上げたまんま、仰向けに轉がつてゐるとしか思へません。