なるほど、いまおれのはふり出されてゐるこの森はちよつとその原始林に似てゐないことはない。
しかし、おれはもう立ち上つて、渇を醫しにあそこの木からぶらさがつてゐる山葡萄を採りに行くだけの氣力もないのだ。
……さつきおれをうつかり蹴とばしてこの熊笹の中にはふり込んでくれたあの先生には、せつかくおれの息を吹つかへさせてくれたのだから、一通りも二通りもお禮は云はなくつちやなるまいが、あいつが詩人さんだつたのがこつちの災難。
なるほど、いまおれのはふり出されてゐるこの森はちよつとその原始林に似てゐないことはない。
しかし、おれはもう立ち上つて、渇を醫しにあそこの木からぶらさがつてゐる山葡萄を採りに行くだけの氣力もないのだ。
……さつきおれをうつかり蹴とばしてこの熊笹の中にはふり込んでくれたあの先生には、せつかくおれの息を吹つかへさせてくれたのだから、一通りも二通りもお禮は云はなくつちやなるまいが、あいつが詩人さんだつたのがこつちの災難。