しかし、おれはもう立ち上つて、渇を醫しにあそこの木からぶらさがつてゐる山葡萄を採りに行くだけの氣力もないのだ。
……さつきおれをうつかり蹴とばしてこの熊笹の中にはふり込んでくれたあの先生には、せつかくおれの息を吹つかへさせてくれたのだから、一通りも二通りもお禮は云はなくつちやなるまいが、あいつが詩人さんだつたのがこつちの災難。
――詩人さんなんていふものは、おれ達の抒情的性質はどうかすると蘇らせて呉れようが、おれ達の獸牲なんぞは一向お構ひなしと來てゐる。
しかし、おれはもう立ち上つて、渇を醫しにあそこの木からぶらさがつてゐる山葡萄を採りに行くだけの氣力もないのだ。
……さつきおれをうつかり蹴とばしてこの熊笹の中にはふり込んでくれたあの先生には、せつかくおれの息を吹つかへさせてくれたのだから、一通りも二通りもお禮は云はなくつちやなるまいが、あいつが詩人さんだつたのがこつちの災難。
――詩人さんなんていふものは、おれ達の抒情的性質はどうかすると蘇らせて呉れようが、おれ達の獸牲なんぞは一向お構ひなしと來てゐる。