こんな山住ひではごく有りきたりの出來事のやうにして靜かな樣子で聞いてゐる。
それから阿比留君が話を引きとつたが、なんでも君達が數年前借りてゐたコッテエヂには、屋根裏に小さな蝙蝠が棲まつてゐたこともあつたさうだ。
夕方、君の妹が鏡に向つて髮をいぢつてゐたら、なんだかその鏡のなかを黒い影がすうすうと横切るので、ふり向いて見たら、それがその蝙蝠だつたと云ふ……
こんな山住ひではごく有りきたりの出來事のやうにして靜かな樣子で聞いてゐる。
それから阿比留君が話を引きとつたが、なんでも君達が數年前借りてゐたコッテエヂには、屋根裏に小さな蝙蝠が棲まつてゐたこともあつたさうだ。
夕方、君の妹が鏡に向つて髮をいぢつてゐたら、なんだかその鏡のなかを黒い影がすうすうと横切るので、ふり向いて見たら、それがその蝙蝠だつたと云ふ……