そのなかはまだ人けがなくて、あかるい日ざしが落葉の殘りのやうに散らばつてゐた。
そのときの萩原さんのお話でも、「青猫」ほど著者にとつて特になつかしく、また自信と愛著とをもつてゐる詩集はないこと、そしてその詩集がこんどのものではじめて完全な姿になつたことなど、私にもよく同感できた。
――私はいまここで、その二つの 〔e'dition〕 の相異をひとつひとつ比較して考へて見る餘裕はないが、そしてその昔の「青猫」にはひと頃の自分を何もかも打ち込んでゐたことさへある私ではあるが、こんどの本のはうが前のよりもずつと一卷の詩集として「青猫」のさうあるべき姿に近づいてゐることは、まちがひないことであらう。