しかし谷崎氏の耽美主義には、この動きのとれない息苦しさの代りに、餘りに享樂的な餘裕があり過ぎた。
……その點が氏は我々に、氏の寧輕蔑するゴオテイエを髣髴させる所以だつた。
ゴオテイエの病的傾向は、ボオドレエルのそれとひとしく世紀末の色彩は帶びてゐても、云はば活力に滿ちた病的傾向だつた。
しかし谷崎氏の耽美主義には、この動きのとれない息苦しさの代りに、餘りに享樂的な餘裕があり過ぎた。
……その點が氏は我々に、氏の寧輕蔑するゴオテイエを髣髴させる所以だつた。
ゴオテイエの病的傾向は、ボオドレエルのそれとひとしく世紀末の色彩は帶びてゐても、云はば活力に滿ちた病的傾向だつた。