堀辰雄 『芥川龍之介論』 京童にさへ「何ぢや、この赤鼻めが」と罵られてゐた。 色のさめた水干に、指貫をつけて、飼主のない尨犬のやうに、朱雀大路をうろついて歩く、憐むべき、孤獨な男だつた。 しかし彼は、そのために生きてゐると云つても差支ない程である、唯一の欲望を持つてゐた。 堀辰雄の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア