志賀氏が彼に批評したのは、彼の「奉教人の死」に就いてである。
志賀氏は、その「奉教人の死」の主人公が死んで見たら實は女だつたといふ事を何故最初から讀者に知らして置かなかつたか、と彼に言ふのである。
筋としては面白く、いいと思ふが、作中の他の人物同樣、讀者まで一緒に知らさずに置いて、仕舞ひで背負投げを食はすやり方は、讀者の鑑賞がその方へ引張られるため、そこまで持つて行く筋道の骨折りが無駄になり、損だと思ふ。
志賀氏が彼に批評したのは、彼の「奉教人の死」に就いてである。
志賀氏は、その「奉教人の死」の主人公が死んで見たら實は女だつたといふ事を何故最初から讀者に知らして置かなかつたか、と彼に言ふのである。
筋としては面白く、いいと思ふが、作中の他の人物同樣、讀者まで一緒に知らさずに置いて、仕舞ひで背負投げを食はすやり方は、讀者の鑑賞がその方へ引張られるため、そこまで持つて行く筋道の骨折りが無駄になり、損だと思ふ。