僕は思はずそれを避けずにはゐられなかつた。
が、「點鬼簿」以後、「彼」「玄鶴山房」「蜃氣樓」「齒車」などが發表される毎にそれを讀んで行くと、それらの作品の上にはいづれにも「點鬼薄」の持つてゐた暗鬱さが掩うてゐるが、それに慣れるに從つて、僕はその暗鬱さに親しみをさへ感じ出した。
と言ふのは、それらの作品がいかに暗鬱な色を帶びてゐるにもせよ、そこに底深く漂つてゐる一味の甘さ(sweetness)が感じられたからである。
僕は思はずそれを避けずにはゐられなかつた。
が、「點鬼簿」以後、「彼」「玄鶴山房」「蜃氣樓」「齒車」などが發表される毎にそれを讀んで行くと、それらの作品の上にはいづれにも「點鬼薄」の持つてゐた暗鬱さが掩うてゐるが、それに慣れるに從つて、僕はその暗鬱さに親しみをさへ感じ出した。
と言ふのは、それらの作品がいかに暗鬱な色を帶びてゐるにもせよ、そこに底深く漂つてゐる一味の甘さ(sweetness)が感じられたからである。