どんな風にしたら、彼等の絶望した心を引き立たせ、彼等の歪んだ意志を――事件の行きがかり上、ほんの一時的な假りの性格をとつてゐたところの、が現在は、殆どその使ひ方も知らぬ異樣な力として彼等自身のうちに持ち扱つてゐるところの、その意志を調節してやれるでせう?
マルテの經驗は、屡〻、私をしてそれ等の未知の友の叫びに答へるべく餘儀なくさせるのです、若しも何びとかの聲が彼のところに屆いたとしたら、彼はそれに應じたに違ひありませぬ、――そして彼は慈悲深い目的を擲つことの出來ぬやうな行爲を私に形見として遺して行つたのであります。
――且又、さういふ獻身を續けるやうに私を餘儀なくさせるのも、私の形づくりたいと思つてゐるあらゆる事物を私の愛の力のすべてを以て(それは彼が私にその使用權を遺して行つたところの不可抗力なのです)私が愛するやうに私に要求するのも、彼〔マルテ〕なのです。