この「朝の空」と題された一篇の大意はまあさう云つたものだが、插繪では、一人の裸體の少女がいま目を覺ましたばかりと云つたやうに、寢臺の上で半ば身を起しながら、窓のところに飛んできた二羽の鳩を無心さうに眺めてゐるところを繪にしてゐる。
これでは、詩にあるやうに、その戀する少女が夜そのものからのやうに寢臺から素足のまま拔け出し、窓に駈けよつて、うつとりとして明けゆく空を見入つてゐる、いかにもみづみづしい姿が、あまり描けてゐないのではないだらうか?
次ぎの頁をめくると、どう見ても美しいとはいはれない女がぼんやりと窓のところで頬杖をついてゐる插繪がある……