又、誰一人だつて知らないでせう、自分の目がいつまでもいつまでも醜い小犬だの、花瓶の間をしなやかに滑り拔ける猫だのの上に注がれてゐるのを。
それからまた百姓家のなかの粗末な、みすぼらしい品々の間に、言語を絶した、限界のない、何か謎めいた恍惚の源になり得るやうなものを自分の目が搜してゐるのだといふことを……。
私はもうその手紙の終りに近いらしい頁を机の上に開いたまま、何かしら感動しながら、外へ出て行つた。
又、誰一人だつて知らないでせう、自分の目がいつまでもいつまでも醜い小犬だの、花瓶の間をしなやかに滑り拔ける猫だのの上に注がれてゐるのを。
それからまた百姓家のなかの粗末な、みすぼらしい品々の間に、言語を絶した、限界のない、何か謎めいた恍惚の源になり得るやうなものを自分の目が搜してゐるのだといふことを……。
私はもうその手紙の終りに近いらしい頁を机の上に開いたまま、何かしら感動しながら、外へ出て行つた。